琴平町で彼方此方行こうとすると道が狭い上、駐車場が少ないので車では行き難いのが現状ですし、お土産屋さんが車を呼び込みんでいますが、呼び込みが一寸下品と言いますか強引過ぎて嫌ですし、うっかり駐車するとある程度以上のお土産を買わないと別に駐車料金を取られちゃうお店もあります・・・
晴れていればホテルに車を置いて歩くのが良いんですが、参道以外は変に近代的な建物が多くて情緒もヘッタクレも有りません・・・
大体観光地の近くに公営駐車場がなさ過ぎます・・・
そこでカミさんと相談して、余りにも近すぎて行って居ない処へ行ってみることに・・・
で、やって来ましたのは道の駅「空の夢もみの木パーク」に隣接する「二宮忠八飛行館」です・・・
観音寺の別荘にいる時、財田の道の駅へはしょっちゅう行って居ましたので何度か行こうと思っていましたが「何時でも行ける」という思いが行くのを妨げていました・・・
ライト兄弟が有人動力飛行に成功する14年も前、世界で初めて飛行原理を着想した二宮忠八氏に関する展示を行っています・・・愛媛県八幡浜生まれの二宮忠八氏なんですが、何故まんのう町に飛行館が設置されているのか疑問もありましたし・・・
まぁ~バードマンラリーとか鳥人間コンテストのファンとしては見逃せない処でもあります・・・
着いた時はまだ開館前でしたので、道の駅もみの木パークで一寸野菜などをお買い物・・・
そうこうしている内に開館時間が来ましたので一人300円を支払って中へ・・・
館内は嬉しい事に撮影OKとの事でしたので遠慮無く撮影させて頂きました・・・
まずは玉虫型飛行器の模型です・・・
当時は飛行機とは言わず飛行器と呼んだようですねぇ~・・・
で、二宮忠八氏の歴史も当然有りましたから、入る前からの疑問を解消すべく読んでみますと・・・
「明治20(1887)年、忠八は21歳で徴兵され、丸亀歩兵第12連隊に入隊した。
その2年後、野外演習の帰り道のこと、仲多度郡十郷村(現在のまんのう町)もみの木峠で昼食をとっている時、ふと霧の中から残飯を求めて滑空してくるカラスに注目する。カラスは翼を広げ、羽ばたくことなくすべるように舞い降りてくる。
飛び立つときには何度か大きく羽をあおって、すぐに谷底からの上昇気流に乗って舞い上がっていく。その様子を見ながら忠八は、向かってくる風を翼で受け止め、その空気抵抗を利用すれば、翼を羽ばたかなくても空を飛ぶことができるのではないか、と考えた。飛行原理の発見である。」と説明されていました・・・
飛行原理を発見したのが、まんのう町だった訳なんですねぇ~・・・
一寸紙が劣化していますが、カラス型飛行器の模型とか・・・
↑の飛行原理発見後、このカラス型飛行器を作り飛行実験を繰り返していたとか・・・
今のライトプレーンと違ってプッシャー型に成っています・・・
この模型の素晴らしいところは揚力発生の翼と推進力としてのプロペラを分離したところですねぇ~・・・
つくば科学万博にも出品されたと言う翼長8メートルの玉虫型飛行器原寸模型・・・
ん~八幡浜で実際に飛ばした機体とは違うようです・・・
カラス型飛行器と同じくプッシャー型で無尾翼機です・・・
しかし飛行原理が判っている人には、この機体を実際に飛ばすのは至難の業と言う事が判ると思います・・・
操縦性を決める垂直尾翼や水平尾翼が無い無尾翼機ですが、無尾翼機必需のヨー安定のための主翼後退角が殆ど有りません・・・
通常の翼型はピッチング方向の動きに対し静的に不安定で、迎角を増やすなり減らすなりする力が働いたとき、翼ではそれを助長するモーメントが働いてしまうし、垂直尾翼が存在しない機体では、ヨーイング方向について安定性が確保できません・・・
しかもプッシャー型ではプロペラ後流が舵に当たりませんから、相当速度が出ないと舵の効きが悪くなります・・・
つまりこの機体は飛ぶかも知れませんが、安定性が???な上、外乱等で安定性を失ったら操縦性が悪いので安定を取り戻すのは至難の業だと思います・・・
帰ってググって見ますと矢張り「1991年(H3)愛媛県八幡浜市で、百年前わが国初の有人飛行機を設計しながら完成を断念した、二宮忠八の設計による玉虫型飛行機の復元飛行が行われましたが、離陸直後に突風にあおられて観客席に突っ込み1人が重傷を負った。」と言う記事にぶち当たりました・・・
無尾翼機は尾翼がないので空気抵抗や重量を軽減できますが、反面安定性が悪いので設計が難しいのが欠点です・・・
カラス型飛行器の方がまだ飛ばしやすかったと思われます・・・
一方ラジコン模型で安定的に飛行を成功させている方も居ますので、設計を修正すれば安定飛行が可能なんでしょう・・・
しかし、何度失敗しても飛行を成功させるとは凄い執念ですねぇ~・・・
仮に当時の二宮氏に軍から資金支援と適当なエンジンが手に入ったとして、操縦性の改善をどういう手法で解決したか興味がありますが、今となってはそれも叶いません・・・
二宮忠八氏のライバル、ライト兄弟のライトフライヤー号の原寸模型です・・・
機首に水平翼、後部に垂直尾翼を配していますので、尾翼の面積やモーメント長から言ってもヨーとピッチング安定は取れるだろうし、ローリング安定は主翼をねじって取っているようですので玉虫型より安定性や操縦性は上だと思います・・・
出来れば玉虫型飛行器と並べて解説展示してくれれば色々比較できて良かったと思うんですが、そこいら辺は展示方法を時折変えて頂ければ良いと思います・・・
フォッケウルフ Fw 44jの模型です・・・
Fw44はシュティーグリッツ(Stieglitz)の名称で知られた1930年代中のドイツの複座複葉の練習機ですが、Fw44Jは世界中の幾つかの国々に販売されるか現地でライセンス生産された最後の量産モデルです・・・
中華民国が20機のFw 44を購入し、戦闘任務用に改修して日中戦争の初期段階に投入したのは有名な話しだそうです・・・
九三式中間練習機、通称「赤とんぼ」の模型です!!!
この機体は矢張りオレンジ色に塗られていた方が似合いますねぇ~・・・
奥にブレゲーC,U,Iと紹介されている機体の模型が有りましたが、このブレゲーに感してはググっても資料がありませんでした・・・
この飛行館には他にフライトシミュレーターやら二宮忠八氏に関するクイズやらプラモデルの展示やら有りましたので飛行機好きな人は楽しめるのではないかと・・・
この時の入館者は私達だけでしたが、帰り際に2人の方が入って来ましたので、土日などは結構な入館者がありそうです・・・
もう一つとても凄いものがありますが、其れは行った方が判ることですので内緒にしておきます・・・
あっ!カラス型飛行器の模型を売っているって言う事ではありませんから・・・
行きと違って帰りは十分時間もありましたから、お昼ご飯もカミさん孝行の為外食にしてチャイをお迎えして帰ってきました・・・
まぁ~24時間にも満たない旅行でしたが、カミさんは楽と贅沢が出来て大喜びでしたしチャイもシャンプーで気持ちが良かったのかサービスで付けて貰ったバンダナがお気に入りなのか、まったりしています・・・
まぁ~こんな記念日もあっても良いのかな???